元プロプレイヤーとレジェンド5000位以内のプレイヤーからコーチングを受けている話(中編)

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はじめに

前回の記事では、私がなぜプロコーチングを受けることにしたのか、そして初回セッションでの驚きについて書きました。「下手な自分でもここまで具体的に改善点を指摘してもらえるのか」という発見は、私にとって大きな転機となりました。

今回はいよいよ技術的な部分に踏み込んでいきます。元プロプレイヤーのYumeさんと、現在もレジェント5000位以内をキープしているコーチが教えてくれたのは、意外にもシンプルなことでした。

「SRタイマンで上手くなるには、この3つをマスターするだけでいい」

その3つとは「クイックショット」「センタリング」「スライディング」です。一見すると当たり前のスキルに思えますが、それぞれを深く掘り下げていくと、私のような初級者が見落としている重要な要素が多数ありました。

この記事では、コーチから教わった各スキルの本質と、私が現在取り組んでいる課題について詳しくお伝えします。

取り組んでいる課題

クイックショット

クイックショットとは、文字通り「素早く正確に敵を撃つ」技術です。FPSゲームの基本中の基本ですが、コーチによると「多くのプレイヤーは練習方法を間違えている」とのこと。私の場合、エイムトレーナーで高スコアを出すことばかりに集中していました。しかしコーチは「実戦で使えるクイックショットはトレーナーのスコアとは必ずしも比例しない」と指摘します。「まず確認したいのは、あなたのセンシティビティ設定だ」コーチは私のプレイ映像を分析し、マウス感度が若干高すぎることを指摘しました。「微調整が難しくなっている。感度を10%下げてみよう」という提案は、最初は違和感がありましたが、数日で驚くほど安定したエイムになりました。「クイックショットの本質は『一発目の弾を確実に当てる』ことだ。連射の正確さではなく、インスタントヘッドショットの精度を上げることに集中しよう」

コーチが教えてくれた効果的な練習法は次の通りです:

静止ターゲットの練習(10分):様々な距離と大きさのターゲットに対して、一発で命中させる練習
トラッキング練習(10分):動くターゲットを追いかけながら、一定のダメージを与え続ける練習
フリック練習(10分):突然現れるターゲットに素早く反応して撃つ練習
実戦形式(20分):ボットを相手に、実際のゲームに近い環境での総合練習

「毎日50分。これを2週間続ければ、明らかな変化が現れるはずだ」
コーチの言葉通り、この練習方法を続けた結果、私の「一発目の命中率」は20%以上向上しました。特に接敵直後の勝率が上がったことは、大きな自信になっています。

センタリング

センタリングとは、画面の中心に常に意識を置き、そこを基準に素早く敵を捉える技術です。このスキルについて、コーチは私の最大の弱点だと指摘しました。「あなたはミニマップを見るたびに、その後のセンタリングが崩れている。また、移動中のセンタリングが安定していないため、敵に遭遇した瞬間の対応が遅れている」確かに振り返ってみると、私は移動中にマウスの位置を無意識に下げていたり、画面の端に寄せていたりすることが多かったのです。コーチによると、トッププレイヤーは常に「次に敵が現れそうな位置」に照準を合わせて移動しているとのこと。「敵の出現位置の予測と、その位置へのプリエイム(事前に狙いを定めること)が、センタリングの本質だ」

センタリングを改善するために、コーチが提案した練習方法は次の通りです:

ヘッド高さの意識:マップ内の様々な場所で、敵のヘッドが来る高さに常に照準を合わせる練習
コーナーチェック:角を曲がる際に、正確にプリエイムしながら進む練習
クロスヘア配置:移動中も常に「次に敵が現れそうな場所」にクロスヘアを置く習慣づけ
ミニマップ確認後の再センタリング:情報収集後に素早く視線を中心に戻す訓練

「センタリングができていると、敵に対する反応時間が平均0.2秒短縮される。これだけでK/D比が0.3〜0.5上がるはずだ」実際、センタリングを意識した結果、「なぜか敵に先に撃たれる」という状況が劇的に減りました。移動中に突然敵に遭遇しても、スムーズに対応できるようになっています。

スライディング(横スライディング)

FPSゲームにおいて、単に立ち止まって撃ち合いをすることはほとんどありません。敵の攻撃を避けながら、自分の攻撃精度を維持する「スライディング」は、中上級者への登竜門とも言えるスキルです。

コーチは私のスライディングについて、「パターン化している」と厳しく指摘しました。
「左右に規則正しく動いているね。これでは上手い相手には簡単に読まれる。スライディングの本質は『予測不可能性』にある」
具体的な問題点として、以下の3つを挙げられました:

動きのリズムが一定で予測されやすい
左右の移動幅が常に同じ
ジャンプとしゃがみのバリエーションが少ない

「相手の射撃リズムを崩すことが目的だ。そのためには、自分自身のリズムを不規則にする必要がある」

コーチが提案した改善方法は、次の通りでした:

非対称スライディング:左右の移動幅を意図的に変える(例:左に大きく、右に小さく)
リズム変化:急に止まる、加速する、減速するなどの変化をつける
立体的な動き:ジャンプ、しゃがみ、スライディングを組み合わせる
地形活用:カバー(遮蔽物)を利用した部分的なピーキング(覗き撃ち)

「スライディングは、単なる回避テクニックではなく、相手の心理を操るテクニックでもある」
この言葉に、私はスライディングの本質を理解した気がしました。実際、不規則な動きを意識するだけで、1対1の撃ち合いでの勝率が向上しています。特に近距離での接敵時に効果を発揮しています。
練習方法としては、対人戦だけでなく、次のような訓練も取り入れています:

ボット相手に様々なスライディングパターンを試す
壁に向かってスライディングしながら、クロスヘアを壁の一点に固定し続ける訓練
録画を見返し、自分の動きのパターンを客観的に分析する

「一流のスライディングは、相手を混乱させながらも、自分のエイムは安定している。この両立が鍵だ」

今の課題はマップの空間認識能力

3つの基本スキルを学ぶ中で、コーチは私のより根本的な課題として「マップの空間認識能力」を指摘しました。「あなたはマップを『平面』として認識している。トッププレイヤーは『立体』として認識している。これにより、常に有利なポジションを素早く判断できるのだ」

確かに振り返ると、私は地形の細部は覚えていても、「空間としての把握」が不足していました。例えば:

高所からの視線の通り方を正確に把握していない
音の伝わり方と空間構造の関連を理解していない
敵の可能性がある位置を3次元的に予測できていない
有利なクロスファイア(挟み撃ち)ポジションを瞬時に判断できない

「マップは『地図』ではなく『戦場』だ。その立体的な構造を完全に理解することが、戦術的思考の土台となる」
コーチが提案した空間認識能力を高めるトレーニングは、次の通りです:

カスタムゲームでの探索:各マップを「観光」するように歩き回り、普段行かない場所も含めて隅々まで調査する
視線チェック:様々な位置から「どこが見えて、どこが見えないか」を徹底的に確認する
サウンドトレーニング:目を閉じて音だけで位置を把握する練習
俯瞰視点での理解:マップ全体を上から見たイメージを頭に描く訓練
プロの試合観戦:トッププレイヤーのポジショニングを意識的に観察する

「空間認識能力は、単なる『知識』ではなく『感覚』だ。時間をかけて養う必要がある」
この課題に気づいてからは、ゲームプレイの合間に「マップ探索の時間」を意識的に設けるようにしています。すると、これまで気づかなかった抜け道や意外な視線の通り道が次々と見つかり、新鮮な驚きがあります。
また、チームメイトとのコミュニケーションも変化しました。以前は「敵が右にいる」といった曖昧な表現でしたが、今は「Aサイト、ボックス上、北向き」といった具体的な位置情報を共有できるようになっています。
実感している変化と今後の目標
コーチングを受けて1ヶ月半が経ちました。まだ劇的なランク上昇には至っていませんが、確実な変化を感じています。
最も大きいのは「なぜそうするのか」という理論的理解が深まったことです。以前は「上手い人がやっているから」という理由で真似ていた動きも、今は目的と効果を理解した上で実践できています。
具体的な成果としては:

平均ダメージが15%向上
K/D比が0.3上昇
1対1の撃ち合いでの勝率が顕著に改善
チームでのコミュニケーション品質の向上

コーチは「理解と実践の間には必ず時間差がある」と言います。今は地道な練習を続けながら、次のステップとして「状況判断力」と「リソース管理能力」の向上を目指しています。
「基本スキルが身についたら次は『ゲーム理解』だ。単にエイムが上手いだけではなく、常に最適な判断ができるプレイヤーを目指そう」

次回の記事では、これらの「メタスキル」について学んだことをシェアする予定です。コーチングを通じて見えてきた「上達の本質」についても考察していきたいと思います。

おわりに

私のような平凡なプレイヤーでも、適切な指導と地道な努力の組み合わせによって着実に成長できることを実感しています。特にFPSゲームは「どう練習すべきか」という方法論が重要で、闇雲にプレイ時間を増やすだけでは効率的な上達は難しいことを学びました。

トッププレイヤーは私たちが見落としている細部にまで気を配り、それを体系的に練習することで高みに達しています。その道のりは一朝一夕ではありませんが、正しい方向に一歩ずつ進むことで、必ず成長できると信じています。

コーチングセッションはまだ続きます。また新たな気づきがあれば、このブログでシェアしていきます。

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